雲呑を背にして  

~ボードゲームを徒然に~

「サガ フロンティア リマスター」発表記念!「サガフロ」ってどんなゲーム?原作版との違いについてもまとめました。

こんにちは、雲呑堂です。

 

先日のゲームマーケット2020秋では、皆さんお疲れさまでした!

 

当日の感想については先日記事にした通りなのですが、購入したゲームは残念ながら未だにしっかりと遊ぶ機会に恵まれていません。現在はルールブックを読みつつ、頭の中でシミュレーション中なので、こちらはプレイ次第、追って記事にしたいと思います。

 

さて、こんな事情もあり、今日はタイトルにもある通り、久しぶりに家庭用ゲームの記事です。Twiiterでも思わず反応したのですが、先日、大変ホットな話題が発表されました。

 

  

サガ フロンティアを10年来プレイしている大ファンの私にとっては、これは大ニュースでした。こんなわけで、サガフロ熱がもりもり上がって来たので、今日はサガ フロンティアについて、未プレイの方にも魅力が伝わるようにゲームをご紹介していきたいと思います!

 

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1.そもそも「サガ」シリーズって何?

 

まず、サガフロの説明に入る前に、「サガ」シリーズについて簡単におさらいしておきましょう。

 

「サガ」とは、ゲームボーイ初のRPGである魔界塔士Sa・Gaに端を発する、現在まで続くRPGのシリーズです。現時点でシリーズは17作出ており、全世界での累計出荷・ダウンロード販売本数は1000万本に達しているとのこと。

開発はスクウェア社で、現在は「スクウェア・エニックス」と名前を変えて、「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」等の大作RPGを手掛けている会社として有名ですね。

 

魔界塔士Sa・Ga」は、ゲームボーイRPGを作れることの証明として、「初代ポケットモンスター赤・緑」を手掛けたゲームフリークの田尻さんが目標にしたゲームとも語られています。*1

 

https://www.jp.square-enix.com/game/detail/saga/img/gb_pkg.png

 

最新作は2019年10月に発表された「インペリアル サガ エクリプス」で、PCブラウザゲームとなっています。つい最近では現実の佐賀県とコラボするなど、どこかで名前だけは聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

romasaga.jp

 

さて、この「サガ」シリーズは、作品に皆「サガ」の名前を冠してはいますが、ストーリーに連続性はありません。しかしながら、プロデューサーである河津 秋敏氏が描く、全体的にシビアでドライな世界観、「ドラクエ」や「FF」と比べると高めな難易度、自由度が高く深くやりこめる点などは共通しており、このあたりが未だにシリーズとして愛されている理由だったりします。

 

シリーズの歴史が知りたい方は下のリンクの「サガ・クロニクル」のページが非常に分かりやすいです。サガ フロンティアは1997年発売で、シリーズで言うと7作目の作品に当たります。ちょうど任天堂ハードから、当時の次世代機であったプレイステーションで発売された、シリーズ転換期の作品になります。

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最新作は私は未プレイなのですが、同じようにいくつかやりこんだソフトもあり、ラインナップを見ているだけで胸が躍ります。「サガフロ」以前のリメイク作品も数多く出ているので、気になる方はそちらもどうぞ!

 

2.サガ フロンティアってどんなゲーム?

 

サガ フロンティア PS one Books

 

(あらすじ)

7人の主人公によって綴られる物語。
プレイヤーはその中から好きなキャラクターを選択し、自分だけの物語を進めていきます。
奥深いシステムが自分だけの物語を果てしなく広げてくれるでしょう。

7人の主人公にはそれぞれ違った目的と結末が用意されています。
さらにゲーム最大の魅力“フリーシナリオシステム”により、途中の選択によってその後の展開が変わります。

スクウェア・エニックス公式ホームページより一部抜粋)

 

さて、ここからは、「サガフロ」の魅力をかいつまんでお伝えしたいと思います。

文章にするとどんどん長くなってしまうので、4項目に分けてみました。

 

①キャラクターと世界観

 

サガ フロンティアの特徴として第一に挙げられるのが、7人の主人公がそれぞれ別にストーリーを展開していく点でしょう。主人公は複数いるけどストーリーは同じ、なのではなく、7つのRPGが入っているようなイメージです。(その分、一つ一つのストーリーは短めですが)現在ではこういったスタイルのゲームもなくはありませんが、発売された1997年当時はかなり画期的だったと思います。

 

この7人の主人公は、キャラクターも、ストーリーもバラバラです。王道ヒーローもの、ロボット活劇、ゴシック風味の強い耽美物、など・・・。そもそも種族が「人間」「妖魔」「メカ」「モンスター」と多様であり、それが同じ世界にいて同じ言葉を話すので、良い意味でごちゃごちゃした、独特な世界観を構成しています。https://www.jp.square-enix.com/saga_frontier/img/chara2.png

           (スクウェア・エニックス公式ホームページより)

 

各主人公のあらすじ(ざっくり)

 

レッド(ヒーロー):悪の組織「ブラッククロス」に家族を殺され、瀕死のところをヒーローに助けられた青年が、ヒーローの力を受け継ぎ「アルカイザー」として悪の組織に立ち向かう熱血ヒーロー復讐劇。

ブルー(人間・魔術師):完全な術士になるために、術の資質を分け合った双子の兄弟「ルージュ」を殺すため、術を学びながらの孤独な旅に出る話。

エミリア(人間):元スーパーモデルながら、恋人「レン」を殺した濡れ衣を着せられ、脱獄。真犯人を探すため非合法組織に身を置くサスペンス物。

T260G(メカ):記憶を失った古代のロボットが、与えられた自分の任務を思い出すための旅に出る話。

クーン(モンスター):滅びる運命にある自分の故郷を救うため、集めると願いが叶うと言われる指輪を集める旅に出る話。

アセルス(半妖):不慮の事故で妖魔の血が混じった主人公が、世界にたった一人の「半妖」として、追手から逃げ続ける逃避行を描いた話。

リュート(人間):あてもなく家を飛び出したニートの主人公が、ふらふらしているうちに自身の出自に気づかされる話。(ほぼフリーシナリオ)

 

以上のキャラクターに加え、30キャラ以上の仲間キャラがいます。ストーリーによっては仲間になったりならなかったり、寄り道すると仲間に出来たり。主人公級のキャラでも、他のストーリーを進めると普通に仲間になったりします。

 

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         (出典:スクウェア・エニックス公式ホームページ)

 

一人のキャラクターが仲間に出来るのは15人までですが、徐々に仲間を増やしながらストーリーを攻略するだけでも楽しいです。

 

また、「サガ フロンティア」の世界はいくつかのリージョンと呼ばれるマップに分かれており、訪れるリージョンによって雰囲気が全く異なります。これによって数多くのキャラクター、サブイベントなどを保管しており、ごった煮感の強い世界を表現しています。

 

②バトルシステム

 

「サガ」シリーズはバトルシステムが難解なことで知られ、初めからすべてを理解するのは難しいかもしれません。例えば、サガフロRPGでありながら一般的なレベル制ではなく、「使用した技術の能力値が戦闘後にランダムで上がる」システムとなっています。

 

とはいえ、サガ フロンティアは比較的シリーズの中では易しめで、特に「連携」システムによる技や術の連続は見ごたえがあります。これはサガフロから導入されたシステムで、行動順が近いキャラクターの技が連続して繋がり、大ダメージを与えるというもので、連携前に「タメ」の演出が入る非常に熱い仕様です。技の名前が強引につながるのも見どころで、今でも変な名前の連携を生み出すべく頑張っている方々もおられます。(「ララバイ」+「タイガーランページ」=「ララランページ」とか)

 

https://www.jp.square-enix.com/game/detail/sf/img/ss02.jpg

           (出典:スクウェア・エニックス公式ホームページ)

 

また、戦闘中に「閃き」という、使用した技から派生して上位技を思いつくシステムも存在し、「ピコーン💡」という表示と共に、観たことのない大技を繰り出したりもします。これも醍醐味でしょう。 

 

過去に電撃オンライン上で行われた「サガ」シリーズの人気技ランキングでも、サガフロの技や術が沢山ランクインしており、その人気がうかがえますね。

dengekionline.com

 

このあたりの演出などは、上の発売記念トレーラー動画などを見て頂くのが一番分かりやすいのではないかと思います。

 

③音楽

 

サガフロは、音楽が良いゲームでもあります。「サガ」シリーズの数多くを手掛ける「イトケン」こと「伊藤 賢治」さんが作曲しており、熱いバトル曲からお洒落な街のBGMまで、世界観に沿うような様々な曲調のBGMが用意されています。

 

レッドのライバルで悪の組織「ブラッククロス」に身を置きながらも、武士の心を持つ「メタルアルカイザー」との戦闘で流れる、ゴリゴリのメタル曲「Battle#5」や、閑静な住宅街のはずれに立ちながらも、研究員がモンスター化して突如襲ってくる(しかも強い)「生命科学研究所」で流れる「ALONE」は不朽の名曲。通常戦闘の「Battle#1」ですら、未だに聞くとワクワクします。

 

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個人的には、アセルス編の最初で流れるチェンバロを多用したゴシック風味の曲や、映画「ブレードランナー」を彷彿とさせる中華街「九龍(クーロン)」のBGMも好みです。きっと気に入る曲があると思うので、ぜひ試聴してみてください。

 

④攻略本

 

サガフロ」を語る上で欠かせないのが、解体真書および「裏解体真書の存在でしょう。「解体真書」はまだ攻略本の体を保っていますが、「裏解体真書」は今でも語り草となっている、ベニー松山*2「ヒューズのクレイジー捜査日記」という、第8の主人公になりそびれたキャラ「ヒューズ」を用いた小説から始まり、スタッフ座談会、縛りプレイ、タイムアタック、一問一答、絵を手掛ける小林智美氏のイメージボードなど、攻略という枠に収まらない非常に愉快なものになっています。

 

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所有しているものを撮影。どちらも中古本屋で昔買ったもの。

本自体は既に絶版になってしまっていますが、それなりに中古本屋で見る機会もありますので、お持ちでない方はぜひこの機会にいかがですか。個人的には、小説だけで元が取れる内容だと思っています。


・・・とか言っていたら、今回のリマスターでヒューズが第8の主人公としてストーリーが追加されるそうです!ベニー松山氏も監修で関わっていらっしゃるんだとか。ご本人も喜ばれてますが、ファンとしても嬉しくてしょうがないです。

 

youtu.be

 

3.リマスターの情報まとめ

 

今回のリマスターに際しては、原作からさらに追加要素があることが発表されています。現時点(2020/12/02)で公式よりアナウンスされているのは、主にこの3つです。

 

①第8の主人公「ヒューズ」の追加

②アセルス編での没シナリオの追加。

③IRPO隊員「レン」が仲間キャラに。

 

①については上でも触れたとおり。「クレイジー捜査日記」をそのままゲーム化するのは難しそうですが、もし仮になったとすれば、サガフロ」のキャラがほぼ総動員されるコメディタッチの話になりそうです。

ヒューズはもちろんのこと、他キャラクターに思い入れが強い私みたいな人間にとっては、新規セリフやキャラクター同士の会話が見られるだけでも嬉しいですね。

 

②についてもかなり嬉しいところ。「サガフロ」は挑戦的な作風の一方、説明不足な箇所が多々あり、有志による解析で、没イベントが数多く存在すると言われてきました。

 

特にアセルス編の「生命科学研究所」、また「フルドの工房」に関わるイベントは、ダンジョンだけを残してほぼ全て没になってしまったらしく、ストーリーの根幹にかかわりそうなのに素通りできる、そして大体どの主人公でも訪れることができる謎マップとなっていました。(BGMが素晴らしいのとモンスターの強さで、ファンには人気のダンジョンです)このあたりが追加されるとストーリーにもグッと深みが出そうなので、今から楽しみです。

 

③については、さりげなく公式のスクリーンショットに映りこんでいました。

ファミ通さんのこの記事が分かりやすいです。

www.famitsu.com

 

ヒューズ編はもちろん、他キャラのストーリーでも仲間に出来たりすると嬉しいですね!

 

4.まとめ

 

以上、「サガフロ」の魅力と、リマスター版の情報について語ってきました。

上では触れていませんが、リマスターに伴い、グラフィックも格段に向上しています。 

 

ハマる人はとことんハマるゲームだと思いますので、ビビッと来た方はぜひこの機会に手に取ってみてください。リマスター版の発売は来年2021年の夏との事ですので、今から楽しみに待ちましょう!

 

それでは、なぜか二つ持っていたサガフロのソフトを眺めつつ、今日は終わりにしたいと思います。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

 

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友人に貸していた時期に再購入したのかも?

 

 

SaGa Frontier Original Soundtrack

SaGa Frontier Original Soundtrack

 

 

*1:出展:ニンテンドウオンラインマガジン2000年7月号    

https://www.nintendo.co.jp/nom/0007/index.html

*2:ゲームシナリオライター、ゲームライター。小説ウィザードリィシリーズや、FFシリーズの攻略本「アルティマニア」の短編小説を手掛けている。ゲーム内容を大変上手く小説に落とし込む方です。