「ドラゴンクエスト」シリーズ 今からナンバリング作品に触れる人向けリメイク作品の紹介
こんにちは、雲呑堂です。
突然ですが、皆さんは、発売が楽しみでしょうがないゲームって、ありますか。
私は、あります。
それがこちらの「ドラゴンクエストⅢ HD-2D版リメイク」です。
昨年に情報が公開されて以降、まだティザー映像が公開された程度で、あまり情報が出ていません。しかしながら、「オクトパストラベラー」や、2022年2月のニンテンドーダイレクトで情報が発表された「LIVE A LIVE」と同じHD-2Dでのリメイク作品ということで、否が応でも期待が高まります。
この情報が公開されたとき、「ドラクエⅢ」のリメイク前に「Ⅰ」とか「Ⅱ」をやっておこうかな、と思い立った私は、あることに気が付きました。それはシリーズが長すぎて数多くのリメイクがあるため、「結局どれをやったらいいんだ・・・?」ということです。
そこで、今日はゲームシリーズ紹介第2弾ということで、「ドラゴンクエスト」シリーズについて触れていくことにしました。とはいっても、主たる内容はゲームのストーリーではなく、タイトルにもあるように、「どのドラクエをプレイしたらいいの?」「やるならどのリメイクをやったらいいの?」という方向けの記事になります。
ちなみに第一弾は「サガ」シリーズでした。
RPG好きの方はぜひこちらも読んでみてください。
※注意書き
私自身、全てのナンバリング作品をプレイしたわけではありませんので、描いてある内容には主観が多分に含まれます。とはいえ、いくつか評価項目を絞ることで、1ファンとしてできるだけ納得感のある作品を選定したつもりですので、大目に見てもらえると嬉しいです。
各評価項目について
評価ポイントは主に4つ。★の数で評価します。
原作再現度・・・元の作品をどれだけ忠実に移植しているか
追加要素・・・原作から+αされた要素があるかどうか(ある場合加点)
完成度・・・リメイク作品として完成された出来かどうか
プレイ環境・・・エミュレータなどを用いずに、2022年2月現在でプレイしやすい環境であるかどうか
これ以外に、重要な要素がある場合は総評で触れます。
「ドラゴンクエストⅠ」(出典:ファミリーコンピュータ=FC)
○お勧めリメイク:「ドラゴンクエストⅠ・Ⅱ」(出典:スーパーファミコン=SFC)
原作再現度 :★★★
追加要素 :★
完成度 :★★
プレイ環境 :★
総評:初代の作品だけあり、最近だと3DS、ニンテンドーswitch、PS4など、リメイクは数多くされています。しかしながら、最近のリメイクはドット絵の雰囲気が原作とかなり異なるほか、原作だと住民に聞きこんでヒントを得たうえで入手するアイテムが、最初からキラキラ光って床に落ちている等、一部の謎解きが簡単になり過ぎている印象です。このため、内容を忠実に再現しつつも、レトロ感もあり、セーブシステム搭載で遊びやすくなっている、スーパーファミコンのリメイク「Ⅰ・Ⅱ」がお勧めです。ただしスーファミは近年の環境ではプレイしやすいとは言いづらいため、プレイ環境の評価は低め。ストーリーだけ知りたい、スーファミがないがどうしてもやってみたい等の場合ならswitchやPS4でも良いでしょう。
「ドラゴンクエストⅡ 悪霊の神々」(出典:ファミリーコンピュータ=FC)
○お勧めリメイク:「ドラゴンクエストⅠ・Ⅱ」(出典:スーパーファミコン=SFC)
原作再現度 :★★★
追加要素 :★★
完成度 :★(一部バグ有)
プレイ環境 :★
総評:「Ⅰ」と全く同じ理由で、スーパーファミコンのリメイク「Ⅰ・Ⅱ」をお勧めします。FC版では異常な難易度を誇る今作ですが、リメイクでは難しさを残しつつもきちんとクリアできる程度の難しさに収まっています。FC版には無かった要素(オープニングデモの追加、イベントの追加等)もあり、まさに正当進化といった感じ。後発のオーケストラのサウンドトラックなどでも本作を基準にしている様です。ただし、SFC版にはFC版にはなかったはずのバグがあったりするので、そこだけ注意。また、原作(FC版)のイメージが良くも悪くも強い作品のため、本作においてはFC版のマゾゲー仕様のドラクエⅡをプレイすることにも意味があると思います。
「ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ・・・」(出典:ファミリーコンピュータ=FC)
○お勧めリメイク:「スーパーファミコン ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ・・・」(出典:スーパーファミコン=SFC)
原作再現度 :★★★
追加要素 :★★★
完成度 :★★★
プレイ環境 :★
総評:この作品も、スーパーファミコンのリメイクがお勧め。(こればっかり言っててすみません) 本リメイクの販売は、時期で言うと「ドラクエⅥ」の後であり、ちょうど次世代機への切り替え直前といった頃合いです。開発経験が蓄積され、SFCの中でも最高レベルのグラフィックと音楽のレベルを有しています。追加要素も、「すごろく場」の追加、敵アニメーションの追加、キャラクターメイキングにおける「性格」の追加など、単純な移植に留まらず、様々な箇所がバージョンアップしているのが特徴です。最新機種のリメイクでは、上記「すごろく場」などがごっそり削られてしまっているため、勿体なく感じます。HD-2Dリメイクは果たしてどうなるのか、今から楽しみです。
「ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち」(出典:ファミリーコンピュータ=FC)
(画像が見つからなかったのでPS版のものを採用しました)
○お勧めリメイク:「ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち」(出典:ニンテンドーDS)
原作再現度 :★
追加要素 :★★★
完成度 :★★★
プレイ環境 :★★★
総評:本作のリメイクはどれも比較的好評で、「ドラクエ7」のシステムを用いて作られたプレイステーション版、そこからさらに改修を加えたニンテンドーDS版、DS版のベタ移植であるiOS/Android版があります。FC版のドット絵の雰囲気からは大きく変わったものの、どれも高い評価を得ているので、遊びやすいハードで触れてみればよいと思います。元々キャラクター性の強いナンバリング作品であるため、「ドラクエ7」から始まった仲間との会話システムとの相性は良かったと言えるでしょう。ただし、リメイクを語る上で外せないのは、原作にはなかった「第6章」の追加です。追加要素でありながら、原作のストーリーに大きく関わってくるため、ファンの中には未だに「第6章は認めない」という方もいらっしゃいます。とはいえ、発売から時間がたった今は、外伝作品などでも第6章は完全に「あるもの」として扱われているようです。ストーリーの整合がよっぽど気になる方以外は、あまりお気になさらずリメイク作品を手に取ってみると良いと思います。
「ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁」(出典:スーパーファミコン=SFC)
(画像が無かったのでPS2版のものを採用しました)
○お勧めリメイク:「ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁」(出典:プレイステーション2)
原作再現度 :★★★
追加要素 :★★
完成度 :★★★
プレイ環境 :★★★
総評:PS2版のリメイクは、他作品と比較してもクオリティが高く、このあたりが「ドラクエⅤ」の評価を不動のものにしていると言っても良いでしょう。仲間モンスターの追加、戦闘アニメーションの大幅追加、BGMのオーケストラ化など、追加要素もありますが、どちらかと言えばもともとの作品をしっかり生かしながら丁寧に作られたリメイクという印象です。また重要なのが、戦闘時における4人目の仲間キャラクターの追加。本作は仲間モンスターがいる関係でパーティメンバーが非常に多いのですが、元のSFC版では3人までしか戦闘に出すことができませんでした。ここが増えたことで、より幅のあるプレイングが可能となっています。追って発売されたニンテンドーDS,iOS,Android版では、嫁候補の「デボラ」が追加されるなど、少しチャレンジした追加要素もありますので、気になる方はこちらでも楽しめると思います。
「ドラゴンクエストⅥ 幻の大地」(出典:スーパーファミコン=SFC)
○お勧めリメイク:「ドラゴンクエストⅥ 幻の大地」(出典:ニンテンドーDS)
原作再現度 :★★
追加要素 :★
完成度 :★
プレイ環境 :★★★
総評:もともとゲームバランスやストーリーの補完に少し難を抱えた作品でしたが、リメイクにおいて期待されたバランスの修正やストーリーの追加などがなく、むしろ削られてしまった要素が非常に大きいため、正直なところ本作品だけはリメイク前のSFCで遊ぶことをおすすめします。一番大きく削られたのは「ドラクエⅤ」にもあった仲間モンスターシステムで、これにより原作SFC版で特に人気のあった「くさったしたいのスミス」「キラーマシン2のロビン2」などが仲間に出来なくなってしまいました。代わりに各地でスライム族が仲間になりますが、やはり物足りないという人が多いようです。唯一評価できるのは「会話システム」の追加で、これによってモブキャラ感の強かった仲間キャラの一人「アモス」などは面白いおじさんであることが分かったりと、キャラクターが深堀りされた点は好意的に受け取られている印象。人間キャラに愛着のある方はリメイク作品でも良いかもしれません。
「ドラゴンクエストⅦ エデンの戦士たち」(出典:プレイステーション=PS)
○お勧めリメイク:「ドラゴンクエストⅦ エデンの戦士たち」(出典:ニンテンドー3DS)
原作再現度 :★
追加要素 :★★
完成度 :★★★
プレイ環境 :★★★
総評:本リメイクは、何よりも「遊びやすい」ことを重視して作られています。元々のPS版はプレイ時間が100時間を超えることもザラにあり、隅から隅までマップを調べないとストーリーが進まない「石板システム」など、敬遠される要素が強い作品でした。ここを、原作をそのまま再現するのではなく、徹底してユーザーライクに、遊びやすく作り直したことはかなり評価できます。原作再現度が低いことが決してマイナスにならない、珍しいタイプのリメイクです。大きな変更点は、ナンバリング作品のドラクエにしては思い切った「シンボルエンカウント」制の導入、3DSの機能を生かしたオンライン要素の追加など。時代に合わせて、下ネタを見た後のリアクションなど、仲間会話システムの一部が削られてしまったのは少し残念ですが、許容範囲でしょう。原作の欝々としたストーリーはそのままですので、気軽に触れてみたい方は3DSリメイクがお勧めです。
「ドラゴンクエストⅧ 空と海と大地と呪われし姫君」(出典:プレイステーション2=PS2)
○お勧めリメイク:「ドラゴンクエストⅧ 空と海と大地と呪われし姫君」(出典:ニンテンドー3DS)
原作再現度 :★★★
追加要素 :★★★
完成度 :★★
プレイ環境 :★★★
総評:もともとがPS2で作られた作品だけに、3DSでのリメイクでも違和感はほとんどなく、リメイクが純粋に原作版の上位互換になっています。追加要素も多く、クリア後ダンジョン、仲間キャラクターの「ゲルダ」「モリー」、そしてエンディング分岐の追加など、PS2版には無かった楽しみ方ができるのも特徴。一部の壊れスキルにも調整が入っていますが、代わりに別の壊れスキルが追加されたので、ここはトントンといったところでしょうか。しいて不満点を挙げるなら仲間の女性ヒロイン「ゼシカ」の着せ替えが弱体化した(=布面積が増えてしまった)ことぐらい。総じて良リメイクと言えますので、今から手に取る方はぜひリメイク作品でどうぞ。
「ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人」(出典:ニンテンドーDS)
○お勧めリメイク:該当なし
総評:念のため本作品も紹介。お勧めリメイクがないのは、本作品が一度もリメイクされていないためです。このため、評価も選外としました。「ドラクエⅨ」はメインストーリーはあるものの、どちらかと言えば携帯機のメリットを生かし、「すれちがい通信」や「wi-fiサービス」を用いたダウンロードコンテンツが主流ともいえるゲームです。DSのwifiサービスは2014年で終了しており、すれちがい通信も2022年の今、ニンテンドーDSを持ち歩いてプレイしている人はごく少数だと思いますので、ファンの方には申し訳ないですが、今から遊ぶのには最も向かないナンバリングシリーズだと思います。
また、次作
「ドラゴンクエストⅩ 目覚めし五つの種族」
についても、MMORPGと呼ばれるオンラインゲームであり、今までのナンバリングとは趣が異なるため、本記事では紹介しません。
「ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて」(出典:プレイステーション4/ニンテンドー3DS)
○お勧めリメイク:「ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて S」(出典:プレイステーション4,Nintendo Switch)
原作再現度 :★★★
追加要素 :★★★
完成度 :★★★
プレイ環境 :★★★
総評:リメイクというより、バージョン違いと評した方が適切かもしれません。元々は3DSとPS4の両方で、それぞれストーリーは同じながらも形態が異なる作品として発売されていたものを1本化。不評だった要素を改善しつつ、バージョンごとの独自要素も、両方盛り込まれているスペシャル版です。何よりの特徴は、ナンバリング作品で初ともいえる「ボイスの追加」でしょう。ドラクエと言えば喋らない、喋らないと言えばドラクエ・・・という既成概念を壊してくれました。声のイメージは大方の期待通りで、フルボイスでこそありませんが、おおむね好評。ゲームとしては、原作では描かれなかった部分を描いた、キャラクター毎の追加シナリオが挟み込まれるようになりました。より世界に浸りたい方は有料DLCのボイスドラマなどもあり、作品を作り直す、ということよりも、「追加」に焦点を当てたつくりになっています。声が付くことに抵抗が無ければ、ぜひリメイクを薦めたい作品です。
おわりに
という訳で、以上全10作品を完全に主観目線で評価してみました。少し辛口になってしまった作品もありますが、今から昔の作品に触れる方は「雰囲気を味わう」だけでなく、ぜひ当時の楽しさを知って欲しいという気持ちで評価させていただきました。(とはいえ私は完全にオールドタイプのゲーマーなので、ファミコン・スーパーファミコン時代のある種不自由なつくりを好んでいるところもあり、そういった点ではかなり偏った見方をしているかも知れませんが・・・)
今回は、ストーリーやキャラクターにはほとんど触れずに紹介しましたので、次はもう少しゲームの内容に沿った記事でも良いかもしれませんね。それでは、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。
雲呑堂でした。