神に愛された男を殺害せよ!! 「ゲット・ラッキー キルDr.ラッキー・カードゲーム」をレビュー
こんにちは、雲吞堂です。
突然ですが、運が良い人っていますよね?
宝くじでよく当選する、ガチャの引きがいい、テストの山勘が当たる・・・etc
私自身は全くツキがないタイプなので、そうした人は羨ましい限りです。
ちなみに世界を見渡すと、半端じゃなく幸運な人達がいます。
4回宝くじに当選したジョーン・R・ギンサーさんもその一人。
驚くべきはその当選金額。何と4回とも1億円以上の当選です!!
総額は20億円にものぼるとか・・・
今回紹介するボードゲーム
「ゲット・ラッキー キルDr.ラッキー・カードゲーム」
にも幸運な男が登場します。その名もラッキー博士(まんまやん)。
ある時ラッキー博士は幸運の館に客人を集めて、晩餐会を開きます。
しかし、客人達はみなラッキー博士に殺意を秘めた邪悪な人間です。
プレイヤーは客人を操り、他プレイヤーよりも先にラッキー博士を殺害しなくてはなりません。
*中央の紳士がラッキー博士
<概要>
このゲームは1996年にチーパス・ゲームズから販売された「キルDr.ラッキー」(以下、「原作」)の携帯版です。コンポーネントのほとんどがカードであるため、原作遊びやすくなっています。
プレイ人数:2~6名 *2名は特殊ルールでプレイ
プレイ時間:20分
<勝利条件>
ラッキー博士の殺害成功
他プレイヤーの妨害を突破し、殺害ポイントが1ポイントでも残っていれば成功です。
<コンポーネント>
・カード
①客人キャラクター
1プレイヤーで2人の客人を担当します。
客人ごとに1ポイントの殺害ポイントを持っています。
ゲームが始まると、左上の数字が小さい順から行動開始!
②凶器・動機・機会・悪意
客人キャラクターを強化するカードです。
1客人ごとに、各種1枚最大3枚装備することが可能です。
各アイテムごとに殺害ポイントが+1されます。
左上の数字が客人カードの左上の数字と言ってしている場合は+2の殺害ポイントとなります。(この場合は、7の客人が装備すると+2)
テキストが面白いのもポイント!
手旗信号ぐらいでそんなに怒らんでも(´・ω・`)
悪意カードはちょっと特殊。
1枚の応じて1ポイント殺害ポイントを減らします。他プレイヤーへの妨害用カード。何枚でもついてしまうし、効果は永続。重ね掛け可能なデバフですね。
右端が悪意カード。左端のクローバーが減点可能な殺害ポイント数を示しています。
この場合は客人(+1)・動機(+1)・悪意(-1)なので、殺害ポイントは+1
・ラッキー博士
何故かカードではありません。
<ルール>
各プレイヤーは自分の手番で
①カードを1枚引く
②凶器・動機・機会カードを1枚装備させる
③自分の客人を客間キャラクター(プレイヤーが操作する客人以外に配置される、3人の客人)と交換する
④ ラッキー博士の殺害を試みる
この3つのうち1つの行動が可能です。
手番プレイヤーがラッキー博士の殺害を試みた際、他プレイヤーは妨害することができます。手札にあるクローバーのついたカードを1枚以上捨て札にすることで、手番プレイヤーの殺害ポイントをクローバー分減らすことが可能です。0になると殺害失敗!!
ちなみに殺害を試みる客人と同じ数字を持つカードを捨て札にした場合、その1枚だけで殺害を阻止することができます。
<プレイした感想>
相手の限界を見極め、他プレイヤーに負担を課していく心理戦が楽しいゲームです。他プレイヤーにかけられる負担を読み間違えると、あっさり殺害を許してしまうことも。
ゲームの特性上、序盤の殺害はほぼ不可能なので、囮で他プレイヤーの手札を減らすことが重要です。客間カードとの交換も勝敗の鍵を握ります。
個人的には、つっこみどころのあるテキストが好きでした。以下、意訳しながら、一部を紹介します。
『しょーもない動機編』
・ラッキー博士の服がダサい
・おしゃべり過ぎてウザい
・ラッキー博士が長蛇の列に割り込むのを見た
・ラッキー博士が書斎のペンキ塗りをしてくれたが、出来栄えが気に入らなかった
『ラッキー博士が何者か分からなくなる動機編』
・一千年に渡るラッキー博士の恐怖政治を終わらせる
・全人類を救うため
・イスタンブールのカフェから始まった闘争を終わらせる
『謎の凶器編』
・凶暴なカニ120匹
・魔術書(呪殺ではなく、殴殺する予定)
『癖が凄い客人編』
・三角ベースでラッキー博士にぼろ負けした腹いせに殺害を目論むファッションデザイナー
・ラッキー博士を父の仇と睨む探偵。ただし、彼女によると経由価格の高騰から、下手な音楽家も全部博士のせい
・自分のアイデアをラッキー博士に盗用された元自然科学分野の神童。そして、現ハリウッド女優
いかがでしたでしょうか。どうやら、幸運な人というのは周囲から恨みを買いやすいようです。自分が授かった分、周囲にも与えられる人間になりたいものです。(いい話風)
ちなみに冒頭に書いたジョーン・R・ギンサーさん、実は統計を学んだ数学博士で、スタンフォード大学の元教授です。そのため、彼女の実績は「運」ではなく、宝くじのアルゴリズムを理解した結果ではないかという意見もあるそうで。
周囲からは「運」に見えても、本人にとっては研鑽の結果だったのかもしれませんね。運要素の強いボードゲームで勝つ人は「運が良かっただけ」なんて言われがちです。しかし、よく観察してみると「運」以外の「何か」が勝敗を分けているかもしれませんよ。
以上、雲呑堂でした。